練習再開

 はじめに、3月11日の東北関東大震災で被災された多くの方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 山形は幸い被害も少なく、物流や交通がまだ滞っている不安こそあれ、周囲の方々が元気なことが何よりも喜ばしく、心強く感じられます。芸工大でも、震災直後から被災地出身の学生の安否確認を行ってきましたが、その全員の無事が先週やっと確認ができました。とはいえ、ご家族・ご親戚や住み慣れた家を失った学生もいるのかと考えると、手放しでは喜べない思いでした。

 筆者は、地震発生時体育館で仕事中でした。天井の鉄骨や壁が、ぎしぎしという聞いたことのない音を立てながら軋み、体育館全体が歪んで見えました。活動中の学生もたくさんいたのですが、吹雪がひどくなっていくなか「宮城は大丈夫なんだろうか…」と皆口々に話し合っていました。

 あれからまもなく2週間が経過しようとしていますが、まだ余震も続いており、体育館には入れない状況です。学生組部員も、先週までは各々自分の身を守ることや家族、友人の安否情報を得ることで精いっぱいだったと思います。不安をあおるニュースを一日中浴びながら一人で過ごす辛さも、想像に難くありません。

 川口先生とも話し合い、今週から練習を再開することになりました。太鼓が保管されている施設が閉鎖のために太鼓も使用できず、場所も限られてはいますが、今できることは何かをみんなで考えながら、少しずつでも実行していこう、ということになりました。ボランティアや義援金など、世界各地で支援活動が広がっています。今すぐに役にたつことができるかはわかりませんが、いつか、太鼓の演奏が必要になったとき、見てくださる人の心に響く演奏ができるよう努力していくことも、私たちに今できることなのではないでしょうか。

 

Gozu Yoshino