「太悳10周年」前半を振り返って

 10月に入り、急に秋らしくなってきました。 大学は後期の授業が始まり、にわかに活気づいている今日この頃です。

 

感謝の十周年記念公演

 太悳は今年で発足10年目を迎えました。その記念の年に、これまで支えて下さった方々への感謝の思いを込めて自主公演の開催を企画しました。7月から9月にかけての演奏活動を、前半の総括として振り返ってみたいと思います。

 太悳の演奏活動というのは、主に外部からの依頼によるものがほとんどで、そこでの演奏がきっかけで、口コミで徐々に広まっていきました。今では、「また来年もお願いします」と言って下さる、お付き合いの長いところもあります。

 しかし一方で自主公演は、今までに数えるほどしか行っていませんでしたから、「10年という節目の年にはぜひ自主公演をやりたい」と、かねてより皆で話していました。そこで、“今までの感謝の気持ちを込めた演奏会を、より多くの人に見て、聴いてもらえるように”ということで、夏と冬に、日々の稽古場でもある体育館で公演を開催しようと決まりました。  

夏公演を終えて 

 10周年公演の第一弾である夏公演は、7月に行われました。発足以来初めてとなった体育館での公演は、「何もない体育館に舞台や客席をどうつくるか」というところから、いろいろな試行錯誤を重ねたものとなりました。10周年記念冊子を制作しお客様に配布したり、今まで演奏してきた曲を“メドレー”として発表したり…。思えば、初めての試みがたくさんちりばめられていたと思います。当日は、公演の途中から激しい雷雨となりましたが、ご来場下さった皆様から「楽しかった」、「これからもがんばって!」など、温かい言葉をたくさんいただきました。

 

“歌との出会い”大成功 

 その後も、8月には文翔館中庭で「和太鼓と歌の出会い」として、混声合唱との共演を果たすことができました。これは、山形県内の芸術文化における創作活動を支援する県の事業に採択されて実現したものです。10周年にちなんで、いろんな新しい試みに挑戦しようということで応募しました。

 プログラム前半は太悳のオリジナル曲、後半は、吉川和夫さんに作曲していただいた、混声合唱と和太鼓のための組曲『さくらのはなびら』を、合唱団じゃがいもと共演しました。“合唱と和太鼓”という一見異色の組み合わせですが、お客さまからも「こんなに合うと思わなかった」という感想が実に多く、演奏者一同、演奏会終了直後にも関わらず再演の話で盛り上がっていました。

  自主公演以外にも、今年は不思議と共演の依頼が続きました。

 

カントリーと和太鼓! 

 9月7日は、本学で行われた、本学・在札幌米国総領事館共催による「カントリー音楽と和太鼓の饗宴」では、アメリカの伝統音楽「ブルーグラス」のバンド、The Fox Huntと合同演奏を行いました。言葉は通じないのですが、たった一度のリハーサルだけで息が合う感覚を実感できた嬉しい驚きとともに、アメリカの伝統音楽と出会うことができた印象深い公演でした。

 

壱太郎さんとの初共演も!

 また、9月11日には、和太鼓奏者壱太郎さん初の山形コンサートにゲスト出演し、マリンバとさまざまな種類の和太鼓で共演しました。世界で活躍する方との共演は、演奏の中ではもちろんですが、演出や楽器の管理までお1人でしていることもあって、さまざまな面で勉強させていただきました。

 

冬公演に向けて

 今年度に入ってからノンストップで走り続けてきましたが、振り返ってみると、いろんな方々との出会いがあり、太悳は本当にたくさんの人に支えられているんだということを改めて実感します。これからは、『太悳十周年記念―冬公演―』に向けて、一同気持ちを新たに、また歩を進めていきたいと思います。

  12月、たくさんの方にお会いできることを心待ちにしております。

 

Gozu Yoshino